2023年の振り返りと今後について #文芸創作

はじめに

ブログの投稿もお久しぶりです。
大変ご無沙汰しておりました。

年末ということもあり、今年の私の文芸創作活動を簡単に振り返りつつ、ついでに今後の抱負めいたことも記しておきたいと思います。
特に、今年はおそらく転機の年になると思いますので。

創作活動の再開について

長い長い休養期間(?)を経て、今年の9月にTwitter (X)や投稿サイトでの文芸創作活動を再開しました。

その前はというと、投稿サイトでの投稿は2021年の4月に7,000字ほどの短編小説(*1)を載せたのが最後でした。つまり、2年半ぐらいのブランクだったことになります。
私は元々活動に波があるタイプでしたが、それでもかなり長めの空白期間だったと言えるでしょう。

今年の9月は、たぶん人生においても大きな節目になると思います。
……といっても、何一つ特別な出来事があったわけではありませんが。
それまでずーっと暗闇の中をもがき彷徨っていたところに、急に光が差し込んできてぱっと道が開けたような、そんな心境の変化がありました。

長編小説について

そんな心境の変化が創作の方にも良い影響を与えたのか、今までずっと書きたくて書こうとして、書けずに筆を折ってきた長編小説を、ようやく今年になって書けるようになりました。

『掟を破って里を出た変わり者の男エルフを追う女エルフの話』

とはいえ、これは私の長編小説としては、まだほんの一作目に過ぎません。
それに、この作品は元々長編にしようと思って書いたものではないので、色々と至らぬ点が多いと思っています。
作者としては、書くことで得られたものも多くありましたが、反省点もまた然りです。

なんとなくカクヨムコンにも応募してしまったので、できれば1月中には完結に持っていきたいのですが、まだ無理をするときではないとも思っています。

むしろ、次に書く長編の方で真価を問われそうだと思っています。
それに、まだまだ今後も安定して長編を生み出して行けるかはわからないので、引き続き精進が必要ですね。

今の執筆スピードだと、10万字超の長編小説を書くのに3ヶ月ぐらいは掛かるようです。
ので、年に3〜4本ぐらい書ければ良いでしょうね。

大長編もいずれは書いてみたいと思いますが、近々では色々と試して可能性を探ってみたいと思っています。

短編小説について

今後の活動としては上に書いた長編小説の執筆に軸足を置くつもりですが、短編もときどきは書こうと思っています。
以前のように140字小説を濫作するのは、自分にとっては先々に結びつく可能性は低い気がしますし、目指す方向でもないと思っていますので、それはやりません。

ある程度ネタが溜まった段階で、「これなら」と思うものを選んで書くような形を考えています。
長編の傍らで、ボリュームにもよりますが月に一、二作とかそのぐらいが適当かなと考えています。

小説を書く日常

昔(*2)、見かけた何かの本で、確か宇野千代さんだったと思うのですが、「息をするように小説を書きなさい」というようなことが書かれていたことだけを覚えています。
まだまだその境地には遠いかなと思いますが、ここ最近は割と生活サイクルが出来てきていて、執筆をする時間が日常に組み込まれてきました。

なるべくこれを維持し、コンスタントに字数を伸ばしていきたいと思っています。

直近の目標

直近の目標としては、以下のようなところを考えています。

  • まずはもう1作、今度はちゃんと最初から長編を書くつもりで10万字超の小説を書く
  • なんらかの公募で入選を得る
  • 投稿サイトでランキング上位に入る
  • ファンを増やす

最後の「ファンを増やす」について。
おかげさまで少しずつではありますが、拙作を「ちゃんと読んでくれてるな」という方もちらほらと現れるようになりました。
最近はSNS本垢の方でも宣伝したりしていますが、読んでもらうことはなかなか難しいですね。
しかし、そうした方を増やすことで、その先にも繋がっていくと思いますので、これを疎かにはできないと考えています。

さて、『〜男エルフを追う女エルフ〜』を書き終えた後に取り組む作品については、まだ悩んでいるところがあります。
あれを完結させられるまでに、おそらくまだ1ヶ月ぐらいは掛かりそうなので、それまでゆっくり考えたいと思います。

むすびに

この記事や私の創作作品をご覧いただき、ありがとうございます。

今後も私の作品や創作活動に対して、応援をいただければ幸いに思います。
感想・評価・レビューはいつでも大歓迎です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ファンタジー短編小説『オレが異世界に行った後』を書きました。

掲題の小説を投稿サイトに掲載しました。

全5話で完結済みです。合計14,000字弱ほどのボリュームとなっております。

きっかけ

このストーリーは約1年半前に思いついたものです。

当時も今も、「異世界転生」というジャンルがライトノベル界で大きな勢力を占めていることは疑いないと思います。
そんな中、逆に「主人公が異世界に行っちゃった後の現世界」を書いたら、独自性を出せて面白いのではないか、と閃きました。

…で、どんな設定が面白いかと頭をひねり、思いついたのがこのストーリーとなります。

少しだけ内容の紹介

ストーリーは次のように始まります。

中学生の少年が、誰に断りを入れることもなく勝手に異世界に旅立ってしまう。
ちょうど彼の家に長期滞在する予定だった海外育ちの従姉妹が、少年の身代わりを務めることになる。

現実的に考えればかなり無理のある設定ではあるのですが、ライトノベルならこのぐらいはアリかなぁと思いました。

余談 - 「日帰りファンタジー」コンテストについて

9月中はカクヨムの日帰りファンタジーという短編小説コンテストに何か出そうかと思い、全く別のコンセプトで書き進めていました。
しかし結局、満足行く作品が出来なかったので、応募は見送りました。

この小説をネタ倉庫から引っ張りだして、「お。これ、今なら書けそうだな」と思ったときには、もう9月下旬になっていました。

もし期限に間に合っていれば、この作品で応募していても良かったかな、と思っています。

結びに

10月6日現在、『カクヨム』と『小説家になろう』で合わせて400PVほど獲得しています。
読んでいただき、ありがとうございました。

まだの方は、これから気軽に楽しんで読んでもらえれば幸いです。

さて、次回作については未定ですが、たぶん年内には何かしらの短編を投稿できるのではないかと思っています。
そろそろ長編を書いてみたいなと構想しようとしていますが、それはそれでけっこう時間と手間が掛かることに改めて気づきました。
…ので、その間に短編ネタのストックを消化したり、お題か何かで新規に書いたりしてしまいそうです。

その折は、またよろしくお願いします。

ひとり衛星航路

――くるくる、ふわり、

地球の周りを回ってる
小さな人工衛星の中は
僕の秘密の隠れ家だ

『やあ、今日も会ったね』

なじみの船が
付かず離れず飛んでいる
わざわざ声を掛けなくても
同じ時の流れに乗って。

――ピコピコ、ピッコン、、

ときどき
メッセージが届く。
僕はそれを見て、くすりと笑う
今日は良いことがあったみたい。

――ふらふら、ガッシャン

まれに
衝突することもある。
小さな傷で済めばいいけど
ボロボロになって
動けなくなることも。

――ふわふわ、プツン、

たとえば、
僕が消えてしまったら、
横を通る君が気づくのは
何日後だろう
何年後だろう

泣いたり、笑ったり、
怒ったり、傷ついたり、

あふれるぐらい
リアルなのに、

この狭い箱の中で
いくら叫んでも
決して君には届かない

――スーッ、パタン。

少し
長居し過ぎたかな。

そろそろ地球に帰るね。

『バイバイ』

 

未完成のひこうき

子どもの頃
みんなで集まって
飛行機を作ったね

エンジンもない
操縦桿もない
みんな、思い思いの翼を生やすばかりで
出来上がったアレは何だったのかな

無理やり飛ばした「ひこうき」は
ここに帰って来れなかったね
バラバラになってしまったね

大人になった今なら
もう少し上手く作れないかな

バラバラになってしまった私たちだけど
まだ、つながってると思うから

 

淡雪

あれからもう
何年になるかな

未だに
君に向き合うことができなくて

僕はここで
どこにも行くことのない
詩(うた)を詠っているよ
 
 
言葉を集めて
空に放った

たぶん、
君には届かないだろう

でもね
あの空のどこかで
きっと誰かが見ているよ

行き場のないこの詩と
君の笑顔を
 
 
本当は
心のどこかで願ってる

言の葉が ふわり
風に乗って

君の手のひらに
包まれる日が来ることを

あの花の 綿毛のように
 
 
――さよなら。

 

虹色想い

「楽しい」
「嬉しい」
「ワクワクする」

毎日がそんな感情ばかりなら
どんなに素晴らしいことだろうか
 
 
だけど
それだけじゃない

つらいときもある
悲しいこともある

心が痛くて、
思い出すだけで
立ち上がれないようなことだって
 
 
だからって
それらを全部
なかったことになんてできない

悲しかった出来事にも
意味はあるんだ
大切な思い出なんだ

つらいことも
目を背けずに受け入れよう

どんな思い出だって
もう、私の一部なんだ

悲しいときは
思いきり泣いて、すっきりしたら
また、笑顔になれるから
 
 
 雨上がりの空に
 虹が架かるように
 
 
泣こう、

笑おう。

 

CONTENTS

「私」という
中身が詰まった缶がある。

色んな人が
「私」を手に取り、
買い物かごに入れて行く。

素通りする人もいれば、
手に取って
ラベルや成分表示を見た上で
結局、陳列棚に戻す人もいる。

逆に、
ラベルも見ずに買って行く。
そんな人もいる。

 

蓋を開けて、
この中身に触れてみてほしいのだ。
表面をなぞるだけでもいい。

願わくば、
味わってほしいのだ。
どんな味がするのか、
教えてほしいのだ。

他でもない この「私」が、
他でもない 「君」にとって。

底の方まで掻き出して、
「もっと無いの?」
そんな声が聞けたなら
もう、最高。
 
 
なのに、
君は自分の収納棚にしまったら
もう、見ることはないんだね。

だから、
私は ある日こっそり抜け出した。
君はたぶん、気づかないだろう。

「あれ、一個減ってる」
ひょっとしたら そう思うかも。
でも、
私だとはわかるまい。

だって
君にとっては どれも同じ
「一個」にしか過ぎないのだから。