淡雪

あれからもう
何年になるかな

未だに
君に向き合うことができなくて

僕はここで
どこにも行くことのない
詩(うた)を詠っているよ
 
 
言葉を集めて
空に放った

たぶん、
君には届かないだろう

でもね
あの空のどこかで
きっと誰かが見ているよ

行き場のないこの詩と
君の笑顔を
 
 
本当は
心のどこかで願ってる

言の葉が ふわり
風に乗って

君の手のひらに
包まれる日が来ることを

あの花の 綿毛のように
 
 
――さよなら。