誰もひとつ処に留まり続けることはできないと #詩

あなたは言う

――私は変わった、と。

確かに、そう。
いつだって私は
誰かが望むように姿を変えてきた

ときには
 手足をもぎ、
 より強い手足と取り換え
ときには
 目をもっとよく見える目と
 脳をもっと早く回る脳と
ためらわず交換してきた

こんなグロテスクな私だから
「変わってない」
なんて言うことはできない

それでも
願うことが許されるなら
信じてほしい

この幹は
変わってないのだと

目を見開いて
焼きつけてほしい

――ほら、胸を開くから

昔と変わらない
私が動いているでしょう?
今も 赤々と

捨てられないんだ、今更。
あなたに不気味だと言われようと
この腕も足も、翼も
 目も耳も、頭も
今や私の一部で
これがなきゃ 私じゃないんだ

どれひとつ欠けても 駄目なんだ

こんな私を
必要としてくれる人がいるから

それじゃ駄目だって言うなら、